どの職業も同じだと思いますが、我々弁護士も日々勉強です。
日本国内だけでも様々なことが起こるのに、国際弁護士としては海外の重要な変化にも付いていかなければなりません。
そのために、国際会議などにも参加して情報収集に努めるのですが、手頃に参加できて有難いのがセミナーです。
弁護士会では、色々な団体と協力するなどして、日々多種多様なセミナーが開催されています。
先日は、弁護士知財ネット主催の、欧州統一裁判所(Unified Patent Court)に関するセミナーに参加しました。
欧州では、1973年以降、欧州特許(European Patent)といって、加盟国における特許の付与手続については、国ごとに個別に申請をせずとも、ひとつの手続で付与がなされる統一制度が設けられています。
しかし、この制度は、特許の付与手続についてのみ統一するものであり、その特許の有効性や侵害行為が問題となったときは、各加盟国の司法制度において個別に審査されることとなるため、複数の訴訟が係属しうる上、国によって結論が異なることがありうるという点が大きな問題とされてきました。
そして、この度、欧州特許に関しては、紛争についても、ひとつの裁判所で解決する制度を設けることで基本合意が得られたとのことです。今後、2014年以降、順次整備がなされる予定であり、これによって欧州の特許実務はひとつの大きな転機を迎えることになりそうです。
と、マジメな話をしてしまいましたが、このセミナーでは嬉しかったことがありました。
スピーカーの一人であるドイツ人弁護士が、とてもよく知っている方だったのです。
彼は、私のミシガン大学ロースクール時代の友人のボスであり、デュッセルドルフに事務所を構えており、数年前、バンクーバーで開催された国際法曹協会の会議で知り合いました。
知的財産権が専門であることはもちろん知っており、その後、お仕事をご一緒させて頂いたこともありましたが、まさかここで再会するとは思いませんでした。
残念ながら、他の会議の都合で中座せざるをえず、きちんとご挨拶できなかったのですが、こうして世界のどこかでまた必ず会う気がしています。
2013年7月2日 火曜日 | カテゴリー: ブログ |